いまこそ証拠開示と事実調べを 狭山市民集会に3000人

狭山事件の再審を求める市民集会が10月31日、東京・日比谷野外音楽堂でひらかれた。無期懲役の確定判決から39年目を迎えたこの日、石川一雄さんは「無罪を勝ち取るまで不退転の決意で闘っていく。来年こそは無罪をとの思いで第3次で終結できるよう一層のご支援を」と訴えた。

集会には全国から支援者約3000人が結集。証拠ねつ造を示す新証拠の提出を踏まえて今年から来年が最大の山場と位置づけ、全証拠の開示、事実調べを実現し、来年こそ再審開始・勝利をかちとる決意を固めた

石川一雄さんは「39年前の不当な判決に怒りを覚えながら集会に決起されたと思う。石川一雄は無罪を勝ち取るまで元気で、不退転の決意で闘っていく。来年こそは無罪をとの思いで切磋琢磨していく。第3次で終結できるよう、みなさんの一層のご支援を心からお願いしたい」とのべ、『えん罪を 訴え駆け抜け50年 まだ見ぬ春は 近きと信じ』との詩を披露し、さらなる支援を訴えた。

早智子さんは「狭山はいま動いています。50年たって狭山を知らない人がいる。多くの人に伝えてほしい。今年から来年が大きな山場。大きく動いているときに、さらなる支援をいただき、来年こそ無罪を勝ち取り、えん罪をはらす良き日にしたい」と訴えた。

弁護団の中山武俊主任弁護人、中北龍太郎事務局長が、裁判所、検察、弁護団による3者協議によって、検察が隠していた133点の証拠が開示されたこと。開示された捜査報告書をもとに被害者を後ろ手に縛っていた手拭いの配布一覧が改ざんされていたこと示す鑑定書など5点の新証拠を提出したことなどを報告。次回の3者協議は来年1月末に行われる予定で、今年から来年にかけて大きな山場であることが強調された。

石川一雄さん、早智子さんの日常を描いたドキュメンタリー映画『SAYAMAみえない手錠をはずすまで』の監督、金聖雄さんが「映画ではみなさんの知っている、『闘う石川さん』ではない、ちょっとお茶目な石川さんや早智子さんとの愉快なやりとりなど、どのように日々を生きているのかを淡々と描いた。喜び、悲しみ、落ち込み、また勇気づけられという一コマ一コマが映し出されている。石川さんはやっていない、無実だということが何の疑いもなくわかる映画になっている。ぜひ一人でも多くの人に広げてほしい」と呼びかけた。

免田事件の免田栄さん、足利事件の菅家利和さん、布川事件の杉山卓男さん、桜井昌司さん、袴田事件の巖さんの姉、ひで子さん、支援者の山崎俊樹さんなど他のえん罪事件の被害者や支援者からも連帯のアピールが行われた。

最後に「39年前の有罪判決以来一度も事実調べが行われてない。第3次再審で徹底した証拠開示、事実調べが行われ、再審が開始されることを強く求める」との集会アピールを採択。集会後は都内をデモ行進し、石川無実を訴えた。

●石川一雄さん、早智子さんの訴え

●えん罪被害者の連帯アピール1

●えん罪被害者の連帯アピール2