『ある精肉店のはなし』の上映会ひらく

ドキュメンタリー映画『ある精肉店のはなし』の上映会が7月7日、HRCビルでひらかれた。貝塚で牛を育て、と畜解体し、小売りを行ってきた北出精肉店の家族の日常を綴ったもので、部落出身者として理不尽な差別に立ち向かいながら、命と正面から向き合ってきた姿が各地で感動を呼んでいる。

上映後は纐纈監督、北出さんが映画に込めた思いを語った

監督は『祝(ほうり)の島』などを手がけた纐纈(はなぶさ)あやさん。7代にわたり家族で牛を育て、手作業でと畜を行い、解体、小売りと精肉のすべての工程を一手に担ってきた北出さん家族の日常を時間をかけて映像にした。

上映会終了後、纐纈監督と北出新司さんが映画に込めた思いを語った。

北出さんは102年続いたと畜場の閉鎖に伴い、ひっそりと家族だけでと畜業を終えるつもりだったが、監督の熱い思いに応えて出演を決意。映像にすると差別を助長するとの心配もあったが、支部、町会も含めて何度も議論を重ねたと経過を説明。

纐纈監督は、と畜場は悲壮感が漂うイメージだったが、実際の印象は大きく違い、牛の命をいただく作業に心を打たれ、敬意を払われるべき仕事だと気付いたとのべ、多くの人が同じ経験をできるのではと映画づくりを決意したなどと話した。

●『ある精肉店のはなし』