第73回全国大会 平和・人権・民主主義守る闘いを

第73回全国大会が3月2、3日の2日間、東京・日本教育会館でひらかれ、全国から636人の代議員が出席。2年に1回の役員選挙が行われ、財務委員長に赤井隆史府連書記長を選出。部落地名総鑑の原典のひとつとされる「全国部落調査」の復刊・販売の動きに対して糾弾闘争本部を設置。ダブル選が予想される7月の参院選で平和・人権・民主主義を守るために推薦候補の勝利に向けて全力でとりくむことなどを決めた。

冒頭、あいさつした組坂繁之委員長は、「同対審」答申50年の節目となった昨年、30数県の知事と懇談し、部落差別が存在する限り同和行政を進めていくことを確認したこと。今年は人種差別撤廃条約批准20年という年であり、ヘイトスピーチに対する国連勧告を踏まえて、法案実現に努力したいなどと強調。
部落地名総鑑の原典とされる「全国部落調査」を復刊・販売しようという動きに対しては糾弾闘争本部を立ち上げて取り組むことを表明。狭山事件については事実調べ、証人調べを実現し、今年中に前進した判断が行われるようにがんばっていきたいとのべた。さらに7月の参院選はおそらく衆参のダブル選挙になると指摘し、平和、人権、環境、民主主義を守るために、リベラルな議員が多数誕生するようがんばっていきたいと強調した。

石川一雄さんは「狭山闘争もいよいよ大詰め。昨年は多くの無実の証拠が開示され、42年前の不当有罪判決が根底から覆されている。今年中には結論が出されるのではと大いに期待している。第3次再審で終結できるようにさらなるご支援をお願いする」と訴えた。

赤井隆史書記次長(府連書記長)が2015年度活動報告案を提案。西島藤彦書記長が2016年の活動方針案を提案し▽改憲を阻止し、人権と平和、民主主義の確立に向けて取り組む▽参院選闘争に勝利する▽全証拠開示、事実調べを実現し狭山再審勝利に向けた世論を高める、などを強調した。

2日目の全体会で西島書記長が集約し、特に「全国部落調査」を復刊・販売する動きについて、法務省にや出版業界に申し入れ、差し止め訴訟も視野に行動を起こす。改正個人情報保護法の要配慮情報を武器に法務省はもとより、総務省、経産省にも申し入れていく。ネット空間の差別は目を覆う状況にあり、プロジェクトチームをつくって対応していきたいなどと強調した。

スローガン、決議、大会宣言案を採択。北口末広副委員長(府連委員長)が閉会あいさつを行い、差別裁判うちくだこうを斉唱、団結がんばろうで閉会した。