Vol.119 推薦候補、立憲民主党の勝利で安倍政権を終わらせる選挙に

今回の突然の解散劇は安倍首相の「森友・加計隠し」というまったく私的な都合ではじまった前代未聞の暴挙であり、その結果、600億円以上もの税金が投入され、衆議院選挙がスタートした。
新聞各紙は「自公与党で300議席確保の勢い」「自民党単独で過半数越え」などと序盤情勢を伝えている。前原代表による民進党の自爆的解党と希望の党への合流。また、小池代表の独裁ぶりや民進からの合流組に対する「選別・排除」のゴタゴタなどもあって、それに反発するリベラル派による枝野氏の立憲民主党の立ち上げと野党協力の再構築という急展開となった。いずれも野党分裂、希望の党に対する期待度の低迷など、結局は、自民党を利することとなり、自公有利な選挙戦のまま後半を迎えることとなった。
森友・加計疑惑など「総理の権力私物化」問題はどこかに置き忘れたかのようだ。このためか、希望の党への期待感は急速にしぼみ出している。

あらためて同盟員をはじめとする部落解放運動関係者に訴える。今回の総選挙は、安倍一強政治を崩壊させ、安倍首相を退陣に追い込むことに全力を挙げる選挙でなければならないということである。
政治家による権力が肥大化すれば暴走し、あからさまな嘘や強弁がまかり通るという最悪な事態にストップをかける選挙にしなければならないのである。
安倍首相と小池代表のタカ派的共通性がクローズアップされ、希望の党など信用出来るはずがないとする考え方もわが陣営には多い。しかし、ひとりしか勝利しない小選挙区制度において野党がバラバラで乱立すれば勝機が遠のくことは当たり前だ。ここは“小異を棚上げてして大同につく”ことを最優先させ、権力を私物化し、憲法を無力化する政権を退陣に追い込むという一点で、大同団結すべき選挙だったはずである。

もともと大義なき解散であり、そのため、「消費税の10%にアップした場合のその財源の使い道」などと国会での論戦すら始まっていない消費税問題を持ち出し、それが最大争点だなどと嘯いた。有権者はのってこないと見るや安倍首相は、今度は、北朝鮮脅威論で不安を煽り立て、それを政権への求心力の手段に用いるというこの幼稚極まりない安倍政権に退場願う総選挙であるはずだ。

こうした絶好の機会に、多くの心ある候補者を排除した希望の党の責任は重い。野党分断で突入してしまった選挙戦に悔いが残る。しかし、民進党のまま選挙戦がスタートしていたなら、「中道」なのか、「穏健保守」なのか自民党とのちがいを鮮明に出来ずに結党以来の敗北を喫していたに違いない。
一連のドタバタ劇から誕生した立憲民主党ではあるが、総保守化傾向に歯止めをかける政党として一定の支持を得ることになりそうだ。しかし、選挙後、政権から一定の距離を置き、野党に甘んじるという事態だけは避けてもらいたい。しっかりと主張する政策は主張し、政界再編のキーパーソンに徹するぐらいの働きはしてもらいたい。

選挙戦も残すところあとわずかとなった。府連は、支持政党を記入する比例区選挙を「立憲民主党」で闘うことを決定した。それは、次のステージで起こるであろう政界再編という舞台で、しっかりと草の根の民主主義を主張し、上からの政策ではなく、市民からわき上がる草の根の声を政治に届けるという立憲民主党の結党の理念で政界再編を先導するという役割を期待したいからだ。立憲民主党の飛躍を勝ちとる選挙にしよう。