ネット中傷防止で有識者会議 吉村知事と政策懇談会

大阪府の吉村洋文知事と府連との政策懇談会が5月17日、府庁横の公館でおこなわれた。吉村知事はネット上の誹謗中傷、差別の防止に向けて「理念条例だけでは意味がない。表現の自由があって、国が法改正しない中でも具体的にどこまでできるのかを有識者会議で問うていきたい」などと強い決意を示した。

懇談会には大阪府から吉村知事、山口信彦副知事、橋本正司教育長らが出席。府連からは赤井隆史委員長はじめ3役が出席した。

冒頭、赤井委員長があいさつし、「吉村知事が就任後、同和地区名の摘示、誹謗中傷などネット上で横行している人権侵害をなんとか規制できないかと、コロナ禍のなかでも国に要請に行っていただいた。4月に大阪府ネット上の誹謗中傷防止条例が制定されたが、宣言的な条例であり有識者会議で効果ある条例にバージョンアップという議論になっている。決意を聞かせていただきたい」などと強調した。

吉村知事は「ネット上で誹謗中傷、差別が簡単におこなわれ、匿名性が高く被害救済が困難という現状を変えていくためには法改正が必要。あわせて大阪府としてできることを詰めていきたい」とのべ、条例にもとづく有識者会議を5月中に第1回、夏頃に中間とりまとめ、年度末には具体的な施策を取りまとめると表明。

「被害者救済とともにいかに加害者を抑止していくのか。具体的な中身、実効性のあるものを作りたい。理念条例だけ作っても意味がない。表現の自由があって、国が法改正しないなかでも具体的にどこまでできるのかを有識者会議で問うていきたい。強い問題意識を持っているのでしっかりと進めていきたい」などとのべた。