部落の高齢化、若い人たちの部落離れは、いまや全国的な共通の問題として挙げ
コラム | 2024年11月16日
コラム | 2013年4月30日
NPO法人「ふーどばんくOSAKA」の活動がスタートした。
「もったいない!」をコンセプトに消費期限が切れていないにも関わらず、毎日大量に廃棄される食材が年間500万トン〜900万トンにものぼると言われている。こうして食品が捨てられていくという現実を目のあたりにして、それを食べ物を必要としている人々に届けるという“橋渡し”の活動が、「フードバンク」であり、全国でも広がりを見せてきており、ここ大阪においてもようやく産声を上げた。
一般的にフード(食品)ロスとは、食べられるのに捨てられている食品のこと。
日本では大量の食品を輸入しながら、一方で大量に捨てているという現実がある。米の生産高が、2012年度約820万トンと報告されており、この数字と匹敵するほど廃棄されているこということになる。比べると、膨大な食品が無駄になっていることがよくわかる。つまり、生産した米の量以上に捨てられている食品があるというのが現実のようだ。
東京のフードバンクの活動などを学ぶと企業の体質のようなものが垣間見られる。それは、やはり日本企業は、「困っている人たちへ食品を提供するという」-いわば“奉仕の精神”からという考え方が非常に強いように思われる。つまりは、利害を離れて社会のために尽くすという精神論が前に出た食品の提供という考え方だ。
しかし、外資系の企業の考え方はどうも違うようだ。もっとドライな考え方といった方が良いのか?「してあげる。してもらう」という考え方を排した関係をのぞんでいるようにわたしには思えた。
つまり、自分たちで製造した商品が出荷の段階になり、破損したり、何らかの理由で販売できないようになってしまった商品が、もう一度、日の目をみるためには、「なにか活用の方法はないのか」「食べる分には不都合がないのに商品として販売できないとは・・・」といった生産者の廃棄したくないという思いが、「じゅあ、食べ物を必要としている人に無償で届けよう」とはじまったのが、フードバンクの活動ではないか?と思っている。かわいそうな境遇にある人たちへ食品をという奉仕の考え方ではなく、製造したものが、廃棄されることなく最後まで無駄を最小限に止める方法のひとつとして登場した考え方だと強調したい。
それこそ、「MOTTAINAI(もったいない)」なのだ。製造して生産したものが社会に流通する。それは、生産者から消費者へ文字通り、滞りなく流れていくという市場経済の仕組みそのものである。その一部にどうしても流通させることの出来ない商品が生まれ、それが廃棄という生産者にとっては屈辱的な処分方法でしか対処できなかったのが従来であった。それなら食品として口に入れることにおいては、何の問題もない食品を社会にもう一度環流させる仕組みとして広がってきたのが、フードバンクの活動である。つまり、市場としては成り立たなかった商品をもう一度、再生され有効利用させる。生産者-消費者という関係ではなく、生産者-受益者という関係として成立し、社会の仕組みとして環流されていくという新たな“食を通じた流通”の仕組みだ。
もっといえば、「余ったからあげる」のではなく、生産したものの最後までの「有効活用」の仕組みである。だから、提供する企業も“してやってる”のではない。“社会に役立て”ているのだ。生産者-受益者との立ち位置が、ウイン‐ウイン【WIN・WIN】の関係となり、双方にメリットをもたらすこととなるのである。その橋渡しをNPO法人「ふーどばんくOSAKA」が担おうと結成されたのである。協力と支援を呼びかける。
部落解放同盟大阪府連合会書記長 赤井隆史