部落の高齢化、若い人たちの部落離れは、いまや全国的な共通の問題として挙げ
コラム | 2024年11月16日
ニュース | 2014年2月20日
大阪芸術大学で学生演劇サークルのチラシに露骨な部落差別表現があるにもかかわらず大学が掲示許可を出し校内の掲示板に貼り出されていた差別事件の糾弾会が2月19日、富田林人権文化センターでひらかれた。同大学は差別表現に許可を出していたことを謝罪。糾弾会では過去の差別事件への反省から取り組まれていた同大学の同和教育、人権教育が20年前から縮小、形骸化していた実態も明らかになった。
問題のチラシは同大学の演劇サークルによる「蒲田行進曲 完結編 銀ちゃんが逝く」の公演を告知するもの。チラシには公演のあらすじを紹介する文章として「銀四郎は被差別部落の出身で、ルリ子の難病はその体に流れる銀四郎の血筋によって発病したものだった」などと書かれていた。
同大学に通う学生が学内の掲示板に貼られていたものを見て教員に連絡。教員から学生課へ連絡し問題が発覚した。チラシは学内2カ所の掲示板で5日間掲示されていたが、その間、誰からも問題の指摘はなかった。
同大学では学内の掲示板に掲示する場合、学生課の掲示許可が必要だが、学生課では原作者が著名な劇作家、故つかこうへいさんであることなどからチラシの中身をチェックすることなく、許可印を押し掲示を認めていた。
書かれていた差別表現はチラシを作成した学生がインターネットで同名の公演を検索した結果、1997年に上演された際の「批評とあらすじ」を見つけ、そのまま引用したもの。
同大学では過去に学内で起きた差別事件への反省から「同和教育基本方針」を作成し、方針にもとづいて同和問題、人権問題を必須科目とし全学生に対して学ぶ機会を提供してきた。しかし、1994年以降、一部の教育課程以外の学生は選択科目となり、事実上、大部分の学生は同和問題、人権問題を学ぶ機会がなくなっていた。問題のチラシを作成した学生も同和問題、人権問題を一度も学んでいなかった。府連では、全学生に同和問題、人権問題を学ぶ機会を保障するよう大学に要請。原作者であるつかこうへいさんに対してはすでに故人であることから、つかこうへい事務所に対して本事件の再発防止に関して申し入れを行っている。