隣保事業の再構築を 幹部活動者合宿

幹部・活動者合宿が5月24、25日、和歌山県のホテルでひらかれ、執行部、各支部、関係団体の代表ら約150人が参加。隣保事業の再構築などこれからの府連の運動の方向を学習し、交流した。

まず北口末広委員長が「今後の部落解放運動の方向・手法と課題」をテーマに講演し、北口委員長はこれからの解放運動のリーダーには情熱だけでなく社会を動かす知識と社会を変える楽しさを学ぶことが重要と強調。少子高齢化、人口減少、IT革命など時代の特徴を的確につかみ、これまでに運動が培ってきたネットワークを最大限活用するためにも、多様な社会的起業の設立を支援できる体制を整えていきたいと強調した。

ついで赤井隆史書記長が合宿の基調を提案。地域住民のニーズ把握や相談の受け皿として隣保事業の再構築が求められていると指摘。社会包摂型の組織、運動の展開に向けて自主事業による新たな人権のまちづくり運動の展開、いのちと生活を守るエコー共済の充実、住宅の自主管理を含めたNPOの検討、人権情報発信の充実などを指摘し、地域の実情に即した社会的事業を興していくためにも、隣保事業とは何かをしっかりとこの合宿で学んでほしいと呼びかけた。

記念講演では東京・山谷を中心に生活困窮者の自立支援に取り組んでいるNPO法人自立支援センターふるさとの会代表理事の佐久間裕章さんが、民間のアパートなどを丸ごと借り上げて単身生活困窮者に対する「支援付き住宅」などを運営するとともに、仕事がない人にヘルパー講座を受けてもらい介護の担い手としての雇用を生み出すなど同会の活動を紹介し、生活困窮者が地域でともに暮らすことの重要さを強調した。

2日目は「明日の隣保館のあり方」をテーマに講演・シンポジウムがひらかれ、大北規句雄財務委員長が隣保館の歴史と隣保館事業の再構築について講演。ついで鳥取軒隣保館連絡協議会事務局長の川口寿弘さん、北芝支部支部長の中嶋三四郎さん、住吉支部支部長の友永健吾さんによるシンポジウムが行われた。