部落の高齢化、若い人たちの部落離れは、いまや全国的な共通の問題として挙げ
コラム | 2024年11月16日
ニュース | 2015年8月15日
同和問題の早急な解決は国の責務であり国民的課題であることをうたった「同和対策審議会」答申から50年となることを記念して答申が出された8月11日、大阪市北区中之島の中央公会堂で記念集会がひらかれた。府連各支部・関係団体、企業、宗教、労組、教育団体、府内の自治体などから1400人が参加し、50年の成果と課題を踏まえて答申の完全実施に向けた取り組みを広範に進めていくことを確認した。
集会は府連などで構成する実行委の主催。府連青年部による水平社宣言の朗読でオープニング。主催者を代表して北口末広実行委員長(府連委員長)があいさつし「50年たった今も明確に部落差別は残っている。答申が示した課題を十分に実行することができたのかをしっかりと精査する必要がある」と強調。
そのために▽答申が指摘していた差別の法規制、司法救済の実現▽答申の根拠となった日本国憲法を軽視する動きにしっかりと歯止めをかける▽現代の差別の現実を見すえ、ただすための方針を打ち出す、の3点に取り組んでいこうと呼びかけた。
来賓では大阪府の小西禎一副知事、大阪市の京極務副市長、堺市の竹山修身市長、大阪府市長会会長の田中誠太八尾市長、大阪府町村長会会長の松本昌親千早赤阪村長があいさつ。府内の各自治体からかけつけた45人の首長らが紹介された。
赤井隆史事務局長(府連書記長)が集会の基調を提案。先達たちの長年の努力の上に答申が出されたことに思いをはせて「継承・継続」の力を確認すること。差別の規制・救済など答申を完全実施する運動を部落に止まらず取り組むことなどを呼びかけた。
記念講演では元総務庁地域改善対策室長として国の同和対策の責任者を務めた炭谷茂・済生会理事長と元中央執行委員の大賀正行さんが答申の意義、歴史、これからの課題などについて熱弁した。
特別アピールとして奈良水平社博物館を運営する公益財団法人・奈良人権文化財団の守安敏司副理事長が「全国水平社創立宣言」と関係資料のユネスコ世界記憶遺産登録をめざすために協力を呼びかけた。
連合大阪の山﨑弦一会長が「答申の精神を継承し、完全実施に向けた運動を広範な人々と手をたずさえて前進させよう」との府民アピールを朗読し参加者の拍手で採択。大阪同和・人権問題企業連絡会の井上龍生理事長の閉会あいさつで集会を終えた。