部落の高齢化、若い人たちの部落離れは、いまや全国的な共通の問題として挙げ
コラム | 2024年11月16日
ニュース | 2018年5月31日
府連と松井一郎知事との政策懇談会が5月16日、大阪府庁でおこなわれた。松井知事は「部落差別の形は大きく変わっている。しっかり把握することが大切であり、解決策を探っていきたい」などとのべ、各市町村の意向に沿って行政データを活用した実態把握に協力できる体制をつくるとの姿勢を示した。
政策懇談会には大阪府から松井知事、新井純副知事、酒井隆行教育長ら、府連からは赤井隆史委員長はじめ3役らが出席した。
冒頭、赤井委員長があいさつし「部落差別解消推進法にそれぞれの自治体がどう肉付けをしていくのか。府としてどのような具体的方針を持つのかが問われている。
同和問題解決推進審議会が2年ぶりに開催されたが府の姿勢は不十分といわざるをえない。万博の誘致にとりくむなら人権は欠かせない課題。松井知事のリーダーシップを発揮してしっかりととりくんでほしい」などと求めた。
村井康利書記長が懇談のテーマとして①地域福祉計画に隣保館をしっかりと位置づけること②部落差別解消推進法をふまえて大阪府「基本方針」「基本計画」の策定。実態調査に対する府の考え方③悪質なヘイトスピーチの実態をふまえた条例の制定④推進法の施行をふまえ学校現場での部落差別や人権学習の実施と教員研修の充実、などについて府の姿勢を問い、松井知事と酒井教育長が次のとおり回答した。
▽隣保館は地域福祉の向上、人権尊重のコミュニティづくりの拠点として重要な役割を果たしている。地域の支援活動の主体として位置づけており、加えて生活困窮者自立支援制度で相談支援機関と連携すべきと位置づける。
▽府では様々な施策を通じて、推進法に規定される相談、教育・啓発にとりくんできた。引き続き庁内横断的な連携体制のもと全庁一丸となってとりくむ。
▽人権問題に関する府民意識調査は今後の人権教育・啓発施策の基礎資料でありしっかりととりくむ。
▽ヘイトスピーチは人権侵害で許されない。一方で「どのような表現が許されるのか」を行政が判断することは「表現の自由」との関係で難しい。条例制定の前提となるようはヘイトスピーチが発生すれば対応を検討する。
▽教員への部落問題研修の充実について、社会状況の変化や法の整備をうけて、人権教育基本方針、推進プランを今年3月に改訂した。教職員研修についてはとりわけ経験年数の少ない教員の人権意識・感覚の醸成、同和問題への理解が重要。教材については現場の教員にとって利用しやすいものとするため様々な工夫を重ねる。
意見交換では府連から府内の複数の自治体で国勢調査のデータを活用して生活実態を分析する調査の準備がなされていることを指摘し、府内全体でとりくめるよう府がリーダーシップを取って欲しいと要請。
松井知事は「市町村からやりたいという申し出があれば尊重して対応する。市町村の意向に沿った形で協力できる体制をつくっていきたい」などとのべた。
府連からは大阪府の選挙管理委員会に「朝鮮人のいない日本をめざす会」という名称の政治団体が登録された件について、政党名自体が明らかにヘイトスピーチであると指摘し対応を求めた。
松井知事は「こういう名前をつけること自体が人としてどうなのかと思うが、今の憲法、法律では目に見える形の制裁はしんどいと思っている」とのべるに止まった。
松井知事との政策懇談終了後、府議会の大橋一功議長に要請行動をおこなった。
赤井委員長をはじめ3役が出席し、大阪府議長室で大橋議長に知事政策懇談会と同様に要望書を手渡した。