「獄友」が狭山現地調査 10月28日に意見広告

不当判決から44年目を迎える今年の10月28日に狭山事件の真相を伝える意見広告を朝日新聞の1面分を使って掲載することになった。その内容に反映させるために9月21日、えん罪被害者、布川事件の桜井昌司さん、足利事件の菅家利和さんの2人が石川一雄さんとともに狭山現地調査にとりくんだ。

左から菅家さん、石川さん、桜井さん

「獄友」の二人は石川さんが強要・誘導された「自白」にもとづいて狭山事件の現地を半日かけて歩いて調査。狭山市駅、荒神様、出会い地点、農道、カバン発見場所、殺害現場とされる雑木林、被害者の悲鳴を聞いていないOさんがいた場所などを歩き、数多くの不自然な点を実感し石川さんの無実を確信した。

現地を歩き終えた桜井さんは「単独で行った行為はウソを並べられる。しかし被害者との会話はやっていないから答えられない」、「菅家さんは体験していないことを無理矢理言わされるつらさは体験した人でないとわからない」などとウソの自白を強要された経験者にしかわからない感想をのべ、石川さんの「自白」の矛盾を噛みしめていた。

無実を確信した二人は、再審無罪までともに闘うことを誓い合った。

桜井さんの話
「被害者の女子学生が、いつでも逃げ出せる状況にあるのに、見知らぬ男性についていくことなどありえない。何度も捜索した現場から、あとになって証拠物が発見させるなど事実と自白には矛盾がありすぎる」。

菅家さんの話
「万年筆が石川さん宅の鴨居から発見されたがその経緯が不自然で明らかに警察のねつ造だとわかった。小柄な私でも見える高さにある万年筆を、2度の家宅捜索で見逃すはずがない。誰が考えてもウソだ」