朝日新聞に狭山意見広告

狭山事件の再審開始を求める意見広告が10月28日付けの朝日新聞(大阪本社版)の第6面の全面分を使って掲載された。不当判決から44年目の10・31にむけて企画されたもので、石川一雄さんと獄中を共に過ごした「獄友」、布川事件の桜井昌司さん、足利事件の菅家利和さんの2人が石川さんとともに狭山事件の現地を歩き、「自白」の矛盾を実感する記事を中心に、「じっくり読めば」狭山事件の真実がわかる内容となっている。

意見広告の作成には府連、解放新聞社大阪支局が全面的に協力。9月21日に獄友の2人に協力をいただき、あいにくの雨天のなかではあったが府連の高橋定副委員長らが同行し現地調査を実施した。

現地調査では①石川さんと被害者が「たまたま出会って誘拐を決めた」という出会い地点②犯行時刻に犯行現場の隣の畑で農作業をしていたOさんの証言③「絞殺と扼殺」、自白と違う殺害方法④あまりに不自然な万年筆の発見経過⑤腕時計は別製品など、「自白」に沿って獄友の2人が現地を歩いて「自白の矛盾」を実感した。

桜井さんは「被害者の女性がいつでも逃げ出せるのに、見知らぬ男性についていくことなどありえない」、菅家さんは「小柄な私でも見える高さにある万年筆を2度の家宅捜索で見逃すはずがない。誰が考えてもウソだ」と話していた。

その他、「新証拠が示す真実 最新科学が無実を証明」として脅迫状の筆跡が石川さんとは99・9%以上別人であることを証明した福江鑑定、インクの違いから発見された万年筆が被害者の物ではあり得ないことを証明した下山鑑定の解説。

「もっと知りたい人へ」として映画『獄友』、『SAYAMA見えない手錠をはずすまで」、書籍『狭山事件の真実』(鎌田慧著)、ウェブサイト『えん罪 狭山事件』が紹介されている。

意見広告の掲載にむけては幅広くカンパ活動を呼びかけた。同盟内のみならず、多くの一般市民や労働組合からも多額のカンパが寄せられた。