ネット差別に対応を 吉村知事が法務・総務両大臣に要望

大阪府の吉村洋文知事は7月2日、国会を訪れ上川陽子法務大臣と武田良太総務大臣に対して「インターネット上の人権侵害事象に対処するための提案」について要望した。府連が吉村知事との政策懇談会で求めていたものでコロナ禍で延期されていたが今回2年越しで実現した。

武田総務相

上川法務相

部落を動画で撮影して所在地をインターネット上に晒す行為や悪質な誹謗中傷が原因で自死に追い込まれたケース、露骨なヘイトスピーチなどインターネットの人権侵害行為が深刻な社会問題になっている。

府連は2年前にひらかれた吉村知事との政策懇談会で鳥取ループ・示現舎が「部落探訪」で部落の所在地を動画でネット上にばらまいている実態を示し何らかの規制ができないのかと問題提起。吉村知事は「許しがたい。法務局に削除要請をしているがいまだ掲載されている」などとのべ、「表現の自由との兼ね合いはあるが行政としてやれることをやっていく」と表明。その後、「大阪府差別解消に関する有識者会議」を立ち上げて議論がなされ、それを踏まえて大阪府が「インターネット上の人権侵害事象に対処するための提案」をまとめて国に要望することを約束していた。

まず法務省を訪れた吉村知事は上川大臣に「インターネット上の人権侵害のひどい状況を踏まえ、ぜひ大臣の力をお借りしたい」などとのべ提案書を手渡した。その後、総務省では武田大臣へも同様の要望とコロナ感染拡大の影響が長期化していることから府民生活を守るセーフティネットの充実や子どもの学習支援、DVなどに対応する相談体制の充実などを求めた。

総務大臣との面会後、囲み取材に応じた吉村知事は「インターネット上の人権侵害が、あまりにもひどい状況になっているということについて法改正のお願いをした。上川大臣、武田大臣から、非常に問題のあるものが多い、何とかできないか前向きに考えていきたい、という発言をいただいた。表現の自由も関わるので法改正が必要になってくると思うが何とか実現できるように強く働きかけをしていきたい」とのべた。

●大阪府「インターネット上の人権侵害事象に対処するための提案について」

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